最初にキャプテンに話を聞いた。どんな活動をしているのか。何を踊っているのか。目標は何か。

文化祭と予餞会と引退ライブで踊ること。HIPHOP、LOCK、GIRLSHIPHOP、JAZZHIPHOP、JAZZなどのジャンルごとにチームを作って踊っていること。

校内での活動が中心であった。なかなか外に出ていく機会はない。

そもそもそのことを条件にダンス部が成立している。外には出ていくことはないと。

そもそものそもそもを言うと、外に出ていく設定さえ基本的にない。ストリート系のダンス部が学校の外で活動する場所などそもそもないのであった。

そういう状況から校内でもダンス部の存在感は少し寂しいものであると言わざるを得ないところがあった。部活動として成立しているのか。一条高校の中でダンス部は存在理由がはたしてあるのか。

校外で踊る場所がないのなら探すしかない。いったいダンス部というのはどこで踊っているのか。そしてダンス部員たちはいったい何を求めて踊っているのか。

部活動である限り、自分たちの力を外に出て、他校と競い合う中でその技量を高めて行った方がよいのではないのか。

そうしない部活動は校内でもなかなか認知されることなどない。

校長がダンス部を盛り立ててくれといういささか大枠で乱暴な発言も唐突な要求もそういうことを含んでいるのだろうな。

まあしかしダンス部員が何を考えているのか、をまず知らなければならない。

ほとんど高校ダンス部が出場できる大会が存在しない中で、全国高等学校ダンスドリル選手権という大会が存在するのを見つけ出した。HIOHOP部門というのが存在する。そして地区予選があり、全国大会がある。

一条高校のダンス部員は他の部活動の部員と同じようにそのような大会に出場することを心の中で望んでいるのだろうか。

そしてこのダンスドリルという大会に出場する。6月関西予選に出場し、惨敗。だがここからスタートしたことが一条高校ダンス部の大きな前進の第一歩であったと思う。

その当時、今大会に参加しようとする他校ダンス部もごくわずかであった。おそらく他の高校のダンス部の多くもまだ校内の活動に限定されている状態ではなかったか、と思われる。

そういう高校ダンス部界の現状の中で新しい一歩を踏み出したわけである。

大きな一歩であった。

顧問になってわずか2か月、そんな顧問とともに大会に参加しようとした当時の3年生部員には本当に感謝しなければならんなと思う。

彼らがいたから今がある。

そして次の年2010年、大会用の作品を部員みんなで作り上げ、本気で全国大会を目指した戦いがはじまることになる。